2009年04月11日土曜日
初めて食べたシナモンの味 [ボクジンの昭和40年代]
おいらが小学校に通い始めた頃のことだと思う
おいらの実家である陸別は、山に囲まれた北海道の片田舎、道東の僻地である。
人口は当時4千人はいたのではないかと思う(これも不確か)。
町には数えるほどしかないお店が、ぽつんぽつんと点在する。
ボクジン小僧が住む公営住宅の近くには、2件のお店(食料品から雑貨、文房具まで)があった。
ボクジン小僧は小学校から帰宅すると、まず茶箪笥に置かれた10円玉をゲットする。
(しかし今考えると、毎日10円ということは1ヶ月の小遣いが300円ほどにもなるのだが...当時の公務員の給料から考えると、小学小僧がもらうには高いはず)
ボクジン小僧の家は、当時ではごく普通のカギっ子だった。
家に帰っても誰もいないのが普通。
そこで、母親が小僧のために小遣いを置いてくれるのだ。
(当時は何処の家も、鍵をかけることはほとんど無かった...ある意味平和?!)
小僧はその10円玉を握りしめ、近くの店へ向かうのだ。
やはり学校から帰るとお腹が空いていたのだろう。
「ふじもと商店」へ行きお腹にたまる物を買うためだ。
(この店はとっくの昔に無くなったが)
店の中には駄菓子、野菜類、ゴムのおもちゃや火薬玉のピストル、菓子パンなどなど、日常必要な物は手に入った。
ボクジン小僧は菓子パンを買うことにした。
ジャムパン、クリームパン、3色パン...とてもシンプルだけど、とても懐かしい菓子パン達。
しかしその中でも、始めて小僧の前にお目見えする菓子パンがあったのだ。
パンの上に薄い茶色の粉がいっぱい振りかけてあり、所々砂糖の粒がまぶされていた。
"これ何だろう..."
小僧は興味しんしんで、そのパンを掴んだ!
家に帰る間、そのパンを茶袋から出して何度も見回した。
確かに今まで見たことのないパンだ。
ジャムやチョコは中に入っていて見えないのに、このパンは外側に何かが散りばめられているのだ。
新しい作り方だなあ...と、子供ながらに思った。
家に着き、早速パンをビニール袋から出す。
その時、ほんわかと薄茶色の粉から香りがしてきたのだ。
"このにおいは何だ?!始めて嗅ぐ臭いだぞ!"
それは小僧が生まれて初めて、シナモンの香りを体験した瞬間だったのだ。
"なんか、甘くて良い臭いだなあ"
本当に感動したものだ。
そしていざパクリ!
今まで食べたことのない、不思議な味だった。
"うわ~この味...美味しいねえ!"
小僧はパンを噛みしめるように、ゆっくりと味わった。
今の子供達は、何かに感動しているのだろうか。
おいらの子供の頃は時代背景も影響していたが、いつも何かに感動していたように思う。
物の溢れかえった現代。
もっと、物に対して優しさや感動を持って欲しいと思う、今日この頃だ。

